考える坂本

坂本は生命維持と認識と価値判断と行動をします

数理論理対話

— 一階言語のシンタクスでは構造のドメインはあまり使わないようだ。論理記号は使うのに。

それにはワケがある。これから展開する数学では、ドメインはそれぞれ異なることが多い(N,Z,Q,R,Cなど)、その一方、論理記号は使いまわす(¬∧∀)。使いまわす理由は単純だ:これらの数学の間には言語の拡張という形で結び付けることができ、ある構造の数学と別の構造の数学では同一の定理が成り立ったりするためだ。そのため、複数の数学間で同一の論理記号を用いることでシンボルに意味のオーバーロードができる。

ドメインの要素を使うのではなく、変数を使うのは、(x+y)2=x2+2xy+y2のように一般化しておいた方が、より本質に迫れるだろうということ。実際に変数を代入するのは、意味論においてモデルを与えることに相当し、 Var→A, x→xw という代入操作を与えることで一つの世界を語る。

— 構造とモデルは同一視できないのか?

できない。一般に、ある式φの充足関係には段階がある。一番具体的なものではモデルを与えればいいのだが、もう少しきつい条件として、モデルの構造を固定して、任意の付値 wにたいして充足するような強い言明ができる。すなわちある種の論理式φに対して、 A⊨Φ ⇒ M⊨Φ は成り立つが、その逆は一般には成りたたない。